昨今の中小企業では、重要な経営課題のひとつに「人材確保」があります。売り手市場のなかでいい人材を採用することが難しい時代です。そのため、自社のコア・コンピタンスとなるもの以外は外注しているという企業も多くあります。
しかしながら、長期的ビジョンで事業を推進するためには自社で人材を確保・育成することが必要不可欠です。
よく言われていますが、入社後3年以内に辞める人が多いという事業者側の意見があります。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
それは求職者と事業者の間の認識のずれがあるためです。
求職者側からすると、入社後に「こんなはずじゃなかった」、「事前にもっとわかっていれば」ー。
一方企業側からすると、採用後に「もう少し即戦力を求めていた」ー。
このようなミスマッチを入社後に解決することは、非常に難しいです。
このような雇用のミスマッチの解消のために注目されているのが「RJP」という手法です。
RJPとは?
RJPとは「Realistic Job Preview」の略です。
これまでは企業側は採用活動において、求職者にとってプラスになる情報を主に提供してきました。
しかし、RJPではプラスな情報だけでなく、マイナスな情報も提供します。
どちらかに偏った情報提供でなく、ありのままの企業・組織の実態を求職者に伝え、お互いに選び合うという性質をもっています。
中小企業・個人事業主によるRJPの活用法
ハローワークの求人は無料で利用できますが、記載できる項目が限られています。
地方でのハローワークの求人は偏りがあり、例えば下関では福祉・看護師等の募集が盛んです。
いくら売り手市場といえど、募集業種・職種の偏りにより求職者側からすれば「やりたい仕事がない」という状況になっていることもあります。
リクナビなどの大手の求人ポータルサイトは広告費用がかかり、多くの企業と比較・検討されます。
そこで自社の求人サイトを充実させることが一つの方法だと考えられます。
採用情報を掲載しているサイトでも、「ハローワークの求人情報をそのまま自社サイトに掲載している」だけでは効果はありません。
自社の想いや、入社してからの仕事がイメージしやすいようにプラス面・マイナス面を記載することで、よい人材を確保し長期的なビジョンで従業員を育成・活用できることにつながります。
また、Uターン、転勤などで場所の移動を伴う場合、事前に仕事を探すためにはインターネットを活用することが大半です。
自社の求人サイトを制作することで、経営方針や長期的ビジョンを明確にでき、社員と共有できるということも効果としてあげられています。
求人サイトによる人材雇用は即効性は薄いため、なるべく早めに対策をしておくことが大切です。