2021年5月現在、新型コロナウイルス感染症により、多くの企業が影響を受けています。
「飲食店は夜8時までの営業」
「イベント企画会社は売上9割以上ダウン」
「古くから愛されてきた旅館が廃業」
こんなニュースが連日のように報道されています。
しかしながら、一次産業にフォーカスした情報があまりないように感じました。
そこで、農家の方々に直接話を聞いてきましたのでご紹介します。
(農家の直接の声は赤字で記載しています。)
一般消費者向けの流通経路では影響が少ない
日常生活でどのように野菜を入手しますか?
おそらく、「スーパー」、「八百屋」、「コンビニ」などで購入していると思います。
農作物はJA経由で市場に流通したり、生産者が店舗での販売まで手掛けたりすることで、一般消費者が店頭で購入することができるようになります。
農家さんの話によると、「一般消費者向けの流通面では影響が少ない」ということでした。
ただし、「流通面において」ということであり、需要と供給のバランスが崩れることによる市場価格の変動には影響があります。
特定の飲食店と契約している農家は影響が大きい
それでは、どんな形態の農業が影響を受けているのでしょうか?
農家さんの話では、「それぞれの飲食店に特化した農作物を作っている農家は大打撃を受けている」ということでした。
例えば、A飲食店が「こういう農作物を作ることはできないか?」などのような要望を出し、品種改良・開発を重ね、高品質な農作物を作成して納めていたケースです。飲食店の時短により、農作物が売れなくなり、在庫がだぶついてしまう。さらに、一般の流通経路を使っていないため、他に買い取り手が見つからないという問題が発生しているとのことでした。
例として、「東北地方の米は余剰気味である」という話でした。
このような農家の方々を助けるために、ネットでの直通が活用されています。
売上を上げるためには?
売上を上げるためには、まず売上の構成要素を確認する必要があります。
売上の構成要素をシンプルな計算式で表してみます。
【売上高計算式】
売上高 = 価格 × 数量
流通減少の問題は、「数量」に関するものといえます。
少ない数しか売れない状況を打破するために、どうしたらよいでしょうか?
上述の売上高計算式で検討すると、
- <価格> 価格を上げて数量の落ち込みをカバーする
- <数量> 販路を開拓し販売数量を上げる
このどちらかしかないということになります。(既存の特定の農作物を対象にした場合です)
中小企業では、「大手や競合他社との差別化を図り、高品質な商品・サービスを高い単価で販売する」という戦略が主流ですが、本事例では販売数量が少なすぎてビジネスモデルとして成り立たなくなってしまったということです(ネット通販により販売数量を増やそう、という対策が取られています)。
経営計画を改めて考えてみてはいかがでしょうか。