前回の記事で「【夫婦で会社設立】定款作成時のチェックポイント」を紹介しました。
今回は、定款の認証について説明します。
定款の認証とは、「この定款は正しいものです」と、公証役場で公証人に証明してもらうことをいいます。定款が完成していれば、事前に予約を行ってから地域の公証役場で認証してもらえます。
地域によって進め方が異なりますが、私が実際に認証手続きを行った経験を踏まえ、いくつかポイントを紹介します。
定款認証の事前チェック
定款を作成してそのまま手続きに行くよりも、まずは事前チェックを行ってもらいましょう。そうすれば、修正すべき点を丁寧に教えてくれます。
弊社は登記・供託オンライン申請システムを活用し、作成した定款をデータ公証人に提出しました。提出してから3営業日後経過した頃に、電話がかかってきて修正点を教えてもらいました。修正点はかなり細かい内容でした。
修正点1 本店所在地の記載方法
弊社は福岡市に本店を置きましたが、「福岡県福岡市」と記載していたところ、公証人から「政令指定都市の場合は、県名は不要」と指摘を受けました。
記載例
(本店所在地)
第3条 当会社は、本店を福岡市に置く。
修正点2 事業の目的の記載方法
法人では、事業の目的に記載のあるものについてのみ、事業として行うことができます。公証人から「、(点)を消してください」、「『並びに』でなく『および』としてください」というような指摘を受けました。ここでは、単語間のつながりをチェックしてもらえたように思います。
(参考)認証した定款の有効期限
定款の認証を終えた後、いつまでに登記申請をしなければならないかについて質問しました。特に有効期限はないらしいですが、定款に定めのある「最初の事業年度」の「当会社成立の日から令和○年○月末日までとする。」の「令和○年○月末日」を過ぎてから登記すると矛盾が起こってしまいます。そのため、認証を終えたあとはその日付までには登記手続きを完了してくださいと言われました。
実質的支配者の申告書
定款の認証に必要な書類として、「実質的支配者の申告書」があります。
実質的支配者の申告書とは、実質的支配者となるべき者が暴力団員等に該当するか否かを申告する書類です。実質的支配者となるべき者、つまり誰が実質的支配者なのかについて記載しなければなりません。
実質的支配者の申告書の様式は、日本公証人連合会のホームページからダウンロードできます。
実質的支配者となるべき者は誰なのか?については、様式に記載のある通りです。弊社の場合、私が議決権(株数)100%保有しているため、私だけが実質的支配者となります。例えば、夫が70%、妻が30%の場合は、実質的支配者は2名ということになります。
実質的支配者の申告書の提出方法が分からなかったため、電子署名してから登記・供託オンライン申請システムを活用して提出してみましたが、差戻しされました。メールに添付して送ってくださいと言われました。管轄の公証役場に確認してください。