歯科技工士になるためには、高校卒業後、歯科技工士教育機関に入学し、2年以上学んで必要な知識と技能を習得する必要があります。そのうえで国家試験の受験資格が与えられ、歯科技工士国家試験に合格しなければなりません。

歯科技工士教育機関には、二年制・三年制の専門学校、四年制の大学、二年制の短大があります。また、数は少ないですが夜間部(三年制)を併設している学校もあります。

今回は歯科技工士教育機関のうち、特徴的な教育機関の数をまとめました。

全国の歯科技工士教育機関の数

2018年1月現在、歯科技工士教育機関は全国に52校あります。

そのうち、愛歯技工専門学校、滋賀県歯科技工士専門学校、長崎歯科技術専門学校の3校は2018年4月から募集停止、岩手医科大学医療専門学校は2019年4月から募集停止とされています。

2019年4月から募集を継続する歯科技工士教育機関は全国で48校となる見込みで、年々減少してきています。教育機関だけでなく、生徒数、また、歯科技工士の数も減少傾向にあります。

夜間過程のある歯科技工士教育機関

夜間過程は三年制となっており、全国では4校の教育機関があります。

夜間の教育機関では、昼間に仕事ができるため、社会人にとっては働きながら通うことができるというメリットがあります。また、昼間に歯科医院・歯科技工所で働き、夜間に教育機関で学習するというスタイルも可能で、卒業後に即戦力として活躍できる環境も整っています。

大学・短期大学の歯科技工士教育機関

四年制大学の教育機関は3校あります。

短期大学の教育機関は2校あります。

昼間過程三年制の歯科技工士教育機関

昼間過程は二年制のところが多いですが、充実した教育を実施するために三年制を設けている教育機関が2校あります。

このうち筑波大学附属聴覚特別支援学校は、日本で唯一の聴覚障害者のための歯科技工士養成校でもあり、ホームぺージでは手話による歯科技工専門用語の解説も掲載しています。

歯科技工士教育機関の場所

東京や大阪、愛知、北海道、宮城、神奈川、愛知、福岡には数校あります。

教育機関がない都道府県もありますが、全国各地にありますので付近の都道府県で教育を受けることができます。つまり、歯科技工士を目指す人は大きな移動を伴うことなく、教育機関に通うことができるという環境になっています。(沖縄居住の方は移動する必要があります。)

これからの歯科技工士教育機関

少子高齢社会化や過疎化などの問題により、地方の教育機関の生徒の数が減っています。そのことが一因となり募集を停止する教育機関もあります。そして歯科技工士の数も減少しています。

どのようにすれば生徒を増やし、また、歯科技工士の数を増やすことができるでしょうか?

まずは「歯科技工士」という職の認知度を高める必要があると思います。歯科技工士教育機関のある市に住んでいますが、「歯科技工士を知らない」という人も多くいます。

どのような仕事か、どうすればなれるのか、歯科技工士の将来性について、正しく情報を発信し、周知してもらわなければなりません。

そして、歯科技工士の方たちの地域との関わり方も大切です。問題意識をもち、改善に向けて一人一人が行動しなければ大きな改革はできません。仕事が忙しくなかなか時間がとれない、自分の生活で精いっぱいかもしれませんが、現職の方に少しでも歯科技工の仕事について広めていただければと思います。

歯科業界は競争が激化しており、「待っていれば患者が来る」時代は終わったと言われています。同じように待っているだけでは生徒・歯科技工士は増えません。他組織・団体と関係性を構築しながら、情報を発信し続ける必要があります。

ホームぺージでの情報発信もその一つです。予算が限られてホームぺージの運用ができない教育機関もあると思いますが、Facebookを活用すればコストはかかりません。情報発信も教育機関の業務の一つとして推進していくことが大切です。

もし教育機関関係、歯科技工士関係の方たちがこのブログをご覧になり、何か改善したいことがありましたら、お気軽にご連絡・ご相談ください。

私個人も微力ではありますが、このような形で歯科関係の情報を発信していきます。

※参考サイト
日本歯科技工士会